沖縄島野菜の魅力、「ぬちぐすい」と言われる所以とは?

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沖縄の食文化、「ぬちぐすい=命の薬」とは?

沖縄の食文化には、中国の「薬食同源」という思想に影響を受けた、「医食同源」を元に

「命(ぬち)薬(ぐすい)」という、食を通じて健康になるという意味で昔から使われてきた言葉があります。

沖縄食材そのものが持つ滋養成分や調理法、保存方法、食べ合わせなど独自に培ってきた沖縄の郷土料理には、

沖縄島野菜が欠かせません。

 

今回は、「ぬちぐすい」として食されてきた「沖縄の食文化や島野菜の魅力」を伝えていきたいと思います。

 

 

 

 

沖縄島野菜とは?

 

沖縄には、伝統的農産物として昔から食べられてきた島野菜というものがあります。

島野菜は、「戦前から導入され伝統的に食されてきた地域固有の野菜」のことですが、下記の3つの要素が

定義付けられています。

 

①戦前から食されている

②郷土料理に利用されている。

③沖縄の気候風土に適合している

 

参照:沖縄県農林水産物データベース くゎっちーおきなわ! 

 

該当する品目は28種類と言われています。

代表的なものには、みなさんもよくご存知の「ゴーヤー」、「島にんじん」、「島らっきょう」、「冬瓜」、「野菜パパイヤ」などがあります。

面白いことに「黒糖」も含まれているんです!

黒糖は、サトウキビから作られますが、約400年前の江戸時代のころから中国から製造方法学び広がりました。

また沖縄の耕地面積の半分もサトウキビが植えられたこともあり、沖縄を代表する農産物です。

 

実は、「紅芋」もこの島野菜の一つ。

黒糖と同じ様に歴史的には、1605年に中国から沖縄に伝来された品種で400年以上の歴史をもつ

古くから馴染みのある野菜です。

 

 

沖縄では、家庭料理としてよく食べられていて、

ナーベーラー(へちま)は味噌煮、ハンダマ(すいぜんじな)はサラダや和え物に、

ニガナ(ほそばわだん)は白和え、タイモ(みずいも)は田楽や唐揚げにしてお正月やお祝い料理として

頂きます。

 

 

 

紅芋の効用ついて、バックナンバーはこちら。

 

 

 

 

島野菜の効用や魅力

沖縄培ってきた伝統的な食文化には、琉球王朝時代からの諸外国との交流でお客様をもてなすために洗練された

「宮廷料理」と亜熱帯という厳しい自然環境下で育まれてきた「庶民料理」の2つの食文化あります。

この庶民料理は、食事を通じて病を治し予防するバランスの良い食事法を独自に培ってきました。

 

沖縄の島野菜は、台風や強い日差しの厳しい亜熱帯気候の中でも、

大陸からの海流によって堆積された土壌や珊瑚によるミネラルとカルシウムが多く含まれた豊かな土壌で

強く育つことから他府県に比較しても栄養価が高いと言われています。

また、沖縄の郷土料理では島野菜以外にも豚肉、魚介・海藻類、豆腐もよく使われる食材です。

 

沖縄では生食は気候的に難しく、油を使った汁物、煮物や炒め物、揚げ物が多いのが特徴的。

島野菜を活かしたメニューで代表的なものに「ゴーヤーチャンプルー」がありますが、

苦味の強いゴーヤーが食欲を増進させ、島豆腐や豚肉と一緒に炒めることで、夏バテ予防メニューとして

昔から食べられてきた調理法です。

 

他にも島野菜の効用には、栄養価だけでなく薬草(薬の代用)として使われることもあります。

「クワンソウ(あきのわすれぐさ)」は別名眠り草といわれ、睡眠改善や食欲増進・疲労回復に効果があるとされ、

沖縄でも昔から茎や葉を炒め物や和えもの、花を酢の物や吸い物、天ぷらにして食されてきました。

 

ヤギ汁やジューシー、沖縄そばなど食べ合わせで添えられる「フーチバー(よもぎ)」は、

フーチ(病気)を治すバー(葉)という意味があり、昔から薬草の一つとして馴染み深いもの。

効用としては、消臭・殺菌や浄化作用があると言われています。

 

この様に、沖縄の島野菜がもつ魅力には食材の栄養価だけに限らず、

昔ながらの知恵で育まれた気候風土に合わせた調理法や薬代わりとして食を重んじてきた背景など

多くの魅力に溢れています。

そして島野菜を使った郷土料理は今でも家庭料理として、受け継がれている大事な食文化です。

 

 

 

郷土料理のレシピはこちら  : 沖縄県 うちの郷土料理 農林水産

 

参照:沖縄食材図解 監修 NPO法人 食の風

参照:沖縄の食文化(沖縄県)

参照:沖縄の伝統的な食文化の保存・普及・継承について

 

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