沖縄のおせちは「重箱料理」?日本のおせち料理とは異なる沖縄の正月料理とは。
今年もあっという間に「年の瀬」。と、感じる方も多いのではないでしょうか。
大晦日を前にして大掃除をして新年を迎える準備をされているかと思います。
そんな新年を迎える際に欠かせないのが「お節料理」。
実は、沖縄にはお節料理がありません。
ということで、沖縄ではどんなお正月料理が出てくるのか「お節料理」ならぬ
沖縄の「正月料理」についてご紹介していきたいと思います。
日本の「おせち」と沖縄の「重箱」
実は、沖縄文化には、所謂「お節料理」というものはありません。
中国の影響を受け、旧暦で年中行事が行われる家庭もまだ多くあります。
その為、お正月に食べるおせち料理というものはなく、「御三味(うさんみ)」と言われる
先祖の墓や仏壇に供えられる重箱料理を頂きます。
重箱の中には、「海・地・海」の食材を使った惣菜が詰められています。
少し、日本のおせち料理とは違って質素な印象を受けますよね。(下記画像が沖縄の重箱料理)
日本の「おせち料理」も同じ重箱に入れて頂きますが、もともとは平安時代から伝わる旧暦の節句にあわせて
自然の恵みや豊作を祈る神様への宴の際に出された宮廷料理の「御節供(おせちく)」が始まりと言われています。
その後、江戸時代になってからこの節句を公式な休日として指定し、御節供も「おせち」と呼び名が略化されて
庶民にも普及していきました。
沖縄の重箱料理の意味
沖縄の重箱料理「御三味」は、たくさんの美味しい味という意味があり、先祖の墓や仏壇にお供えするものです。
旧正月の十六日(ジュールクニチ)にするご先祖の墓参りや法要、先祖供養の伝統行事の清明祭(シーミー)などに
食します。
実は、お祝い時(お盆、清明祭やお正月)と法事用(法事や十六日など)では詰める食材が変わるのですが、
簡単な違いの見分け方がかまぼこの色。
赤い色のかまぼこは沖縄独特の色味で、もてなしを表現しているお祝い用。
そして、白いかまぼこは仏事用で詰められるものです。
他にも縁を結ぶ意味を表す「結び昆布」はお祝い用に詰められ、切れ込みが入った「返し昆布」という形に変えて
詰め込みます。これには、あの世の人に引っ張られないためにという意味があるそうです。
他にも入れる品数は奇数と決められているのも特徴的で、7品や9品が多く見られます。
中身には、豚三昧肉、揚げ豆腐、かまぼこ、昆布、こんにゃく、ごぼう、カステラのかまぼこ、田芋のから揚げ、
魚の天ぷら、そしてお餅が一般的。
この重箱料理は、詰める場所が決まっていて、重箱のサイズに合わせて食材を均一にカットされています。
ご紹介コラム:沖縄県メモリアル整備協会 御三味(ウサンミ)は沖縄の行事料理☆お供えの作法とは
お正月には欠かせない沖縄の豚肉料理
沖縄料理は、豚肉文化と言われていて、日常の家庭料理からお祝いごとでも多く食されている食材のひとつ。
もちろん、大晦日の年越しそばやお正月にも豚肉料理がならびます。
年越しそばも日本のお蕎麦とは違うおそば。
蕎麦粉ではなく小麦粉を使い、かん水で練った太めの麺はできています。
そして豚の骨や鰹節からとるこってりとした出汁にソーキと言われる豚肉の骨つき肉が入ったおそばを頂きます。
そして、お正月の豚肉料理といえば、汁物でいうと豚の内臓で作る「中身汁」や
旧正月には欠かせない、豚肉、椎茸、かまぼこ、こんにゃくを使った白ミソで作る「イナムルチ」は、
どこの家庭でも出される正月料理です。
そして、豚肉と昆布で炒める「クーブイリチー」。
『よろこんぶ』という語呂合わせから縁起のいい料理として正月料理ででてきます。
実は、沖縄は昆布が取れないものの(日本では90%が北海道産昆布)全国トップクラスの昆布消費県。
昔から縁起の良い食べ物として昆布を使った料理が多く、出汁ではなく食べるものとして馴染みのあるものでした。
また背景には、18世紀ごろの中国(清)において、漢方の原料として貴重だった昆布を
薩摩藩との貿易の中継地点として琉球の存在が大きく、それがきっかけで昆布の料理文化が発展したと言われています。
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