新年の抱負。決意した目標を実現するための3つの秘訣。
新年を迎えて、心新たに抱負や目標を掲げる方も多いかと思います。
今回は、そんな新年の抱負が実現する3つの秘訣を行動心理学やNLP心理学といった分野から
効果的なメソッドをまとめてみました。
①動機づけ
目標を決める時、まず初めにみなさんが考え始めるとしたら、「なぜそれをやるのか、やりたいのか」という
動機づけの部分ではないでしょうか。
心理学では、動機づけには、外発的動機付け(外発報酬)と内発的動機付け(内発報酬)が2つがあると言われています。
心理学者エドワード・L・デシのモチベーション理論によると、目標達成意欲を持続化させるには内発的動機づけを
高めると目標達成されやすいと提唱しています。
では、具体的にその二つはどんな意味や違いがあるのでしょうか。
■外発的動機付け(自分の外からの要因でモチベーションになるもの)
・高い報酬(金銭や昇進など)
・他人からの評価
・罰則(ペナルティ)
■内発的動機付け(自分の内なる感情に起因してモチベーションになるもの)
・自己成長を感じたい
・好奇心を満たしたい
・なりたい自分になる充実感
デシによると、外発的動機付けには「アンダーマイニング効果」といって、外的報酬(お金や罰則など)が
「ただ、楽しくやっていたものがお金のためにやっている」と不純な動機を引き起こし、
内的動機付け(楽しさ)に悪影響をもたらしてやる気を削ぐことに繋がるとも言っています。
長期的なモチベーション維持には、自分の中で継続する楽しさや満足感、達成感を感じれているかが
肝なのかもしれません。
また、この内発的動機づけでは「自律性」「有能性」「関連性」の3つを高めるとモチベーション維持だけでなく、
パフォーマンス向上やウェルビーイング(精神的健康)においても効果を発揮するとしています。
■自律性
自分のすることは自分で意思決定し、行動するという状態。
■有能性
自分が決めた目標をやり遂げると思えること。
■関連性
他者と関わっていたい、他者の役に立ちたいと思えること。
自分の夢や目標設定が、どこに起因する動機なのか、
将来の自分にどんな効果や影響をもたらしてくれるのかを問い直してみると
内的動機付けの深堀に繋がるのかもしれませんね。
参考文献:「自己決定理論における動機づけ概念間の関連性1,2) ―メタ分析による相関係数の統合」岡田涼 パーソナリティ研究2010 第18巻 第2号 152–160
「自立的な学習動機付けとメタ認知的方略が学業成績を予測するプロセス」 西村 多久磨 河村 茂雄 櫻井 茂雄 教育心理学研究,2011,59,77-87
②目標の明確化
目標達成する為には、目標設定時に、具体的に何をするのか、期限を設けたり、数値目標を置くなど
行動計画に落とし込みやすいステップとして「SMARTの法則」などが挙げられますが、
さらに目標達成や問題解決、コミュニケーションの分野で進化した
脳科学と心理学を融合した心理学NLP(神経言語プログラミング)に基づくと、
「アウトカム」という適正な形に整えられた目標にすると良いとされており、
次の6つの条件が満たされると達成率が高くなると提唱されています。
①肯定的な表現で物事を捉える
「しないといけない」ではなく「したい」など肯定的な捉え方を意識する
②自分のできる範囲で考える
自分以外の人が関わらないとできない目標設定をしない。
自分で直接働きかけられ、自分だけで維持できること。
③達成したゴールを五感で表現する
目標を達成できたときにイメージできる視覚的なもの(認定証やトロフィー、家族の喜ぶ顔など)、
聴覚的なもので言えば称賛の声など、五感を通じて意識に残りやすい場面を設定すること。
④5W1Hで明確化する
なぜやるのか(Why)なにを(What)どこで(Where)いつまでに(When)だれと(Whom)どのくらい(How)
といった具体的に目標を特定する。
⑤メタアウトカムを設定する
目標達成をしたあと、さらに派生する効果や影響のことを考える。
メリットやさらに大きな目的や可能性を設定してみる。
⑥エコロジーの観点
NLP心理学では、周囲とのバランスや関係性を現した「エコロジー」という考え方があります。
目標達成をしていても、心身がボロボロになっていたり、周囲との関係性が悪くなっては、
良いと思って始めたことも上手くいかないもの。
「やることで得られるものや失うもの。」
「やらないと得られないもの、失ってしまうのも」など、
自分の目標達成を通して、周りで関わる他者や組織、社会とWin-Winになれる関係とはどんなものなのかという
視点を持つも大事です。
③習慣の力を利用する
動機付けや目標設定の明確化をしたら後は行動するのみ。
ただ、この行動を継続するのが難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。
行動科学の理論によると、目標達成には習慣化することがポイントだそう。
習慣化には、その行動が当たり前になっていたり、意思がなくても無意識にやっていたなど。
他にもやらないことが違和感を覚えさせたりと意識の持ち方すら変えてしまう効果があります。
「頑張らないとできない」「やらなきゃいけない」という意思の強さが必要なのではなく、
「それが当たり前になっている」という意識の変化を「行動で変える」こと。
習慣化の成功の秘訣は、
この行動が自分にどんなメリットがあるのかを認識していることが大事になります。
また、習慣化するまでには18日〜254日の継続性があると定着率が高まると
ロンドン大学フィリッパラリー博士らによる研究で結論づけています。
また、長く継続できていれば、その習慣を欠ける日が1日あったとしても、この習慣化を崩す大きな問題には
ならないそうです。まずは長く時間がかかっても続けることが大事なのかもしれません。
参考文献:習慣はどのように形成されるか:現実世界での習慣形成のモデル
いかがだったでしょうか。
目標達成を実現可能にするアプローチは多岐に渡りますが、
今回は心理学や潜在意識を活用した脳科学や行動心理学に基づいた視点でまとめてみました。
上手く脳や心の原理を活用して、〇〇しなきゃではなく、目標に向かって前向きな気持ちで取り組みながら、
いつの間にか達成できてた〜なんていう余裕まで出てきたらこっちのものですね。
みなさまの新年の良いスタートが切れますように。
☆Omoimo コラム 〜メンタルヘルス〜